対象になりやすい人
未成年の子どもがいて、離婚を考えている人、離婚後の親権・養育費・親子交流について決めたい人に関係する制度です。すでに離婚している場合でも、事情により手続や新ルールが関係することがあります。
1.離婚後は「共同親権」も選べる
改正前は、離婚後の親権者は父母のどちらか一方でした。改正後は、父母の話し合いで共同親権か単独親権を選べます。合意できない場合は家庭裁判所が、子どもの利益を基準に判断します。
共同親権が原則という意味ではありません。虐待やDVのおそれなど、共同して親権を行うことが困難な事情がある場合には、裁判所は単独親権としなければならないとされています。
2.父母の責務が明確になった
婚姻中か離婚後か、親権者かどうかにかかわらず、父母には子どもの人格を尊重し、心身の健全な発達のために養育する責務があることが明確になりました。父母は、子どもの利益のため互いに人格を尊重し、協力することも求められます。
3.養育費を確保する仕組みが変わった
養育費の取り決めがない場合に、一定の条件で暫定的な「法定養育費」を請求できる制度が設けられました。これは正式な取り決めまでの補充的な仕組みです。適切な額は、収入や子どもの人数など個別事情を踏まえ、協議や調停・審判で決めることが重要です。
また、合意した養育費について、支払いを確保するためのルールも見直されています。口約束で終わらせず、内容を文書に残し、必要に応じて公正証書や専門家への相談を検討します。
4.親子交流でも子どもの安全と気持ちを優先する
親子交流は、日帰りや宿泊だけでなく、電話やSNSなど直接会わない方法も考えられます。一方で、交流が子どもに負担や危険を与える状況では、安全への配慮が最優先です。父母だけで話し合うのが難しい場合は、家庭裁判所や支援機関へ相談してください。
手続を急ぐ前の確認
共同・単独の選択、養育費、親子交流は、家庭ごとの事情で判断が変わります。特にDV・虐待・連れ去りなど安全上の不安がある場合は、相手と直接交渉する前に、弁護士、自治体の相談窓口、法テラスなどへ相談してください。
参考にした情報
- 法務省「民法等の一部を改正する法律」特設ページ
- 法務省民事局「父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました」
- 政府広報オンライン「離婚後も共同親権が選択可能に」
- 法テラス「無料法律相談・弁護士等費用の立替え」
本記事は2026年9月3日時点の公的情報を一般向けに整理したもので、個別の法律相談ではありません。実際の手続や判断は、法務省・裁判所の最新情報を確認し、必要に応じて弁護士等へご相談ください。